開発者の使い方

作った本人の「みらいぼ」使いこなし術
記録しないで未来の残高を見る方法

作っておいてなんですが、私は「みらいぼ」で家計簿をつけていません。レシートも入力しないし、コンビニで何を買ったかも記録していません。それでも毎月、家計の見通しは立っています。

みらいぼは「記録する家計簿」ではなく「未来の残高が見える家計簿」として作りました。ふつうの家計簿が「過去に何へいくら使ったか」を記録して振り返る道具なのに対して、みらいぼが答えるのは「このまま行って、口座は大丈夫か」という未来の問いです。答える問いが違うので、使い方もぜんぶ「記録しない」から逆算されています。この記事では、作った本人がどう使っているかを、設計の意図とセットで書きます。

1. 記録しない。だから最初にまとめてやる

みらいぼでいちばん大事なコツは、逆説的ですが「毎日開かないこと」です。

多くの家計簿アプリは、続けて記録するほど価値が出ます。みらいぼは逆で、最初に土台を作ってしまえば、あとは放っておいても未来が見え続けます。だから私は、使いはじめの30分だけ集中して、貯金・毎月の収入・大きな固定費を入れました。そこから先は、毎月の決まった作業(後の「答え合わせ」で書きます)と、大きな出費があるときくらいしか開きません。

はじめの入力を3つだけに絞っているのも、この思想からです。あいまいな「食費はだいたい何万円くらい…」を入れさせない。分かる数字だけを、正確に置く。それが予報の精度につながります。

2. 大きい単位だけを置く。細かい買い物は入れない

私が収支として登録しているのは、こういうものです。

逆に、スーパーの買い物やランチ代は一切入れていません。生活費はまとめて「毎月◯◯円」の一行にしています。

理由は、予報にとって効くのは、大きくて時期がずれる支出だからです。残高がガクッと下がるのは、日々の数百円ではなく、ボーナス払いのカード請求や、年払いの保険料や、旅行の予約金です。そこさえ置けば、未来の残高の形はほぼ決まります。細かい記録は、精度をほとんど上げないのに手間だけかかる。だから最初から求めない設計にしました。考え方は貯金シミュレーションのやり方にも詳しく書いています。

3. ウォレットは実際の口座に合わせる。増やしすぎない

ウォレットは、頭の中のカテゴリではなく、実際にお金が入っている場所に合わせるのがコツです。たとえば生活用の口座と貯金用の口座を分けているなら、みらいぼの中でも同じように2つに分けます。

こうしておくと、レポートで口座ごとの残高も見られるので、「生活用の口座がこの月に一度ゼロに近づく」といった、合計だけでは見えないことに気づけます。

ただし、増やしすぎないのも大事です。財布・電子マネー・複数の銀行と細かく分けると、管理が「記録」に近づいてしまう。予報に必要な粒度は、せいぜい2〜3個です。

4. 定期収支は予報に効くように設定する

繰り返しの収入・支出を登録するとき、私はいつも2つを意識します。

ひとつは休日調整。給料日が土日に重なると前後にずれますよね。みらいぼは「前営業日/翌営業日」を選べるので、実際の入金日に合わせておくと、月初に残高が一瞬マイナスに見える、といった誤差が消えます。

もうひとつは回数。ボーナスなら「毎年・この月・回数◯回」と置いておくと、その先の残高まで予報に乗ります。一度置けば、来年のボーナス後の残高まで見えるわけです。

5. 毎月やる「答え合わせ」は2つだけ

土台を作ったあとも、私が毎月やっていることが2つだけあります。どちらも数十秒で終わります。

ひとつは、クレジットカードの請求を、毎月まとめて更新すること。私は毎月のカード請求を、先にざっくりの見込み額で入れてあります。それを、引き落とし額が確定する日に、その月の1件だけ実額へ直す。カードは使った月と引き落とされる月がずれるので、この月イチの更新をしておくと、先の残高がぶれません。

もうひとつは、給料日のあとに、口座の残高を実際の額へ更新すること。残業代などで毎月の手取りが上下する場合、給料日を過ぎたら実際の入金額に合わせます。このとき収支の記録はいじりません。ウォレットの残高だけを現実に合わせるのがコツで、こうすると予報の出発点がいつも正確になります。

逆に言うと、決まってやるのはこの2つだけ。あとは大きな出費や収入の予定ができたときに1件足すくらいで、毎日開く必要はありません。

6. 見るのは「残高がいちばん減る月」だけ

レポートのカレンダーを開いたとき、私が見るのはひとつだけ。この先で残高がいちばん少なくなるのはいつで、いくらかです。

家計の不安の正体は、たいてい「どこかで足りなくなる気がする」という漠然とした感覚です。でも、いちばん少なくなる月の金額が分かってしまえば、不安は「その月をどう越えるか」という具体的な問題に変わります。具体的になれば、手は打てます。

だから毎日眺める必要はありません。私は月のはじめに届く残高確認のお知らせが来たら開く、くらいのペースです。それで十分に、先が見えている感覚が続きます。

7. 余地を残す。予報は完璧を目指さない

最後に、いちばん力を抜いてほしいところ。全部を埋めようとしないでください。

みらいぼの見通しは「だいたい合っていれば役に立つ」ものです。1円まで合わせにいくと、途端にふつうの家計簿の「記録」に逆戻りして、続かなくなります。生活費はざっくりの一行でいい。分からない未来の出費は、分かった時点で足せばいい。

余白があるくらいがちょうどいい。そう思って作りました。

よくある疑問

Q. 生活費はどうやって一行にするの?
過去2〜3ヶ月の口座の減り方から、ざっくりの平均を出して「毎月の生活費」として1件登録します。1円単位で合わせる必要はありません。多めに見ておくと、予報が楽観に振れないので安心です。

Q. クレジットカードはどう入れる?
カードは「使った月」ではなく「引き落とされる月・日」に、まとまった金額で置きます。日々の買い物を1件ずつ入れる必要はありません。毎月ほぼ一定なら定期収支に、ボーナス払いなどで大きくなる月だけ単発で足すのがおすすめです。

Q. 予報がずれてきたら?
気づいたときに直せば十分です。給料が変わった、固定費が増えた、大きな出費が決まった。そのタイミングで該当の1件を更新するだけ。毎日の答え合わせは不要です。

Q. 無料でどこまでできる?
未来の残高は無料で6ヶ月先まで見られます。3年先まで見たいときにプレミアムです。まずは無料で、いちばん減る月が見えるところまで試してみてください。

この記事は、開発者がnoteに書いた使い方の記録をもとにしています。制度や開発の裏側の話はnoteにも書いています。

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